【お子様の治療~将来に向けて～　永久歯のむし歯ゼロを目指して！】

お子様の治療について当院での方法について書いてみようと思います。生えたばかりの乳歯はとても軟らかい上、お子様が歯磨きも嫌がることが多く、「気づかないうちに穴があいていた」ということもあります。小さなお子様のむし歯の治療は、本人も保護者の方も本当に大変です。診療台に上がるのも嫌、口を開けるのも嫌、歯磨きも嫌、レントゲンなんてとんでもない、さらに恐怖のあの音「キュィーン」なんか聞かされたら逃げ出したくなります。本人も保護者の方も汗だくです。でも気持ちはすごくわかります。大人でも歯医者が怖くて痛みを我慢している人はたくさんいらっしゃいますし、いざ勇気を出して治療にやってきたものの内心ドキドキで、血圧が上がる方もいらっしゃいます。私も小さな頃にむし歯になって、母が歯科医院に何件も連れて行ったけど、泣いて泣いてどこにも診てもらえなくて大変だったと聞かされました。あまり覚えてはいませんが、その時の先生が「なんで泣くんだ。何にもしていなじゃないか。」と私に言ったのに対して、「今から怖いことするじゃないか」と思ったことだけは、はっきり覚えています。前置きが長くなりましたが、当院の子供さんの治療目標は「できるだけきれいな永久歯列にもっていく」です。大事なのは「永久歯列」であって「乳歯歯列」ではないということです。決して乳歯はどうでもいいということではありません。もちろん安全が確保できると判断すれば、乳歯も積極的に治療を行います。ただ、そうでない場合は、むし歯を完全に治療することを目標とせず、痛みが出ず生活にほぼ支障が出ない状態を保つ事を目標とし、そのための治療をします。お子さんが３歳~５歳ぐらいまでは、むし歯になってしまった原因を保護者の方と考え、定期的に予防処置を行い、痛みが出た場合はできる範囲の治療を行います。永久歯が生え始める年長さんぐらいから、永久歯が生えそろう小学６年生ぐらいまでが勝負です。この時期も定期的に通って頂いています。大変そうに聞こえるかもしれませんが、こちらの方が圧倒的に本人もご家族も負担が少なく、歯医者嫌いにもなりません。小学生も高学年ともなれば、むしろ逆に「歯医者に行きたい」と思うようになり、さらに永久歯のむし歯のリスクが下がります。嘘のような本当の話ですが、とにかくできたむし歯を完全に治して欲しいと思われる方は当院ではなく、他の歯科医院に行かれた方が満足されると思います。
このような「やり過ごす」治療もしながら、一生ものの歯の土台を築きます。